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中国で出版された書籍で紹介!

 

 2011年2月下旬、中国・江蘇省在住の知り合い(新聞コレクター仲間)から、一冊の本が届く。

 タイトルは、『歴史風雲説號外』(写真右)。中国の号外収集についていろんなことが書かれている。といっても、私自身は中国語読めないんだけど。

 中国語が読めないながら、漢字の字面を追ってペラペラめくっていたら、なんと、「小林宗之:一位痴迷収蔵号外的日本人」という項目が。

 事前に何の話もなく、まったく寝耳に水の話で驚いたが、何はともあれ、取り上げてくれたのは光栄な話。どうやら中国で、私の名前が一部の世界で知られているらしい。

 私のことについて書かれているページは、同書の168~169ページの2ページ。人物誌のような項目の中の一つに、私が取り上げられている。中国語のわかる知り合いに翻訳してもらった。

 日本語訳は以下の通り。

 

 

 

小林宗之‐ある号外収集に夢中の日本人

李貞剛

 現在、中国の収蔵家の世界では号外の収蔵が日に日に盛んになり、衰えるところを知らない。実のところ、国外では号外の出版があるだけではなく、号外収集に夢中になる人もおり、特に私たちの隣国日本では、号外の出版には長い歴史があるだけでなく、号外を収蔵する人も少なくない。数年前の『中国号外収蔵報』の報道によると、日本の八十歳を超えた高齢である皆川重男は号外の収蔵家であり、これまでに六十年あまりの号外収集歴がある。収集した号外は日本の明治維新時代から始まり、1991年の湾岸戦争までで、合わせて一万七千部あまりに上る。彼が収蔵する号外は長い年月を跨いでいるだけでなく、その価値もとてもかなりのものである。皆川重男は「号外は時代の真髄であり、毎回号外が発行される際には社会、国家そして時代に影響を及ぼす大事件が必ずある。」と語っている。

 2007年、黄安国氏はかつて小林宗之というある日本の号外収蔵家が、「小林宗之近現代資料文庫」を作ったことを認識していた。彼は収蔵歴が長くなく、2003年から号外の収蔵にのめり込んだにもにもかかわらず、収蔵する号外の数量はそれでいてかなりのものであり、2007年5月までで、収蔵する号外はすでに5000枚を超えていた。彼は「日本では、ここ数年で号外の出版はずっと持続しているが、だいたい2006年11月ごろから号外の発行頻度は急激に減少し、このような現象は現在も継続している。」と語っている(※)。小林宗之の説明によると、日本には中国の号外組織のような新聞社から直接大量の号外を購入する体系はなく、またこのような方法を受け入れる新聞社も存在しないという。近年のインターネット号外の急激な増加によって、紙で出版する号外の代わりにインターネットで済ませるといったことが絶えず増加しており、彼の収蔵する5000枚の号外の中で、約2300枚はこのようなインターネットでの号外である。このような原因のため、中国の号外収蔵マニアの全ての期待を満たすのは、とても困難なことである。彼は「私の収蔵歴はたった数年に過ぎず、入手できた古く珍しい号外もまだとても少なく、言語や環境などの原因を加味すると、中国の号外収蔵マニアたちと交流することはまだ若干困難なことである。」と話している。

 知るところによると、小林宗之は2006年10月に、彼がこれまで収蔵した号外を編集し『所蔵号外目録』を編集した。前述した『目録』は、94ページで、前書き、凡例、目次、あとがきを除くと、本文は明治、大正、昭和(戦前、戦後)と平成の五つの部分から成る。各部分は略年表、資料編と目録などの内容に分かれ、各部分の一ページ目はカラーページとなっており、号外を選び掲載している。『目録』からは、小林宗之が収蔵する号外は、2006年10月までで、計4245種におよび、そのうち電子版が1878種で、明治(1868-1911)84種、大正(1912-1926)25種、昭和(戦前1926-1945)112種、昭和(戦後1945-1989)96種、平成(1989-)2050種、平成(1989-)電子版1878種になる。この『目録』は少量の特報、速報、付録なども収録している。

 北京週歴によると、アメリカも号外出版の大国であり、2001年の「9.11」の日だけで、アメリカの各大新聞で少なくとも百種を超える号外が出版されており、『ワシントンポスト』というこれまで号外を出版したことのない新聞社でさえ、あの日には号外を出版した。数年前ある人物が五年かけて収集した107種の「9.11」をインターネット上でオークションにかけたところ、最後にはオークションの売価は2000ドルを超えたというが、売り手の底値に到達せず、彼はそもそもこうした貴重な号外を売りたくなかったのかもしれない。

 

 

写真:取り上げられたページ
写真:取り上げられたページ

 

 

 

(※)この手紙を送ったのは2007年の5月初めごろ。その後、状況は随分と変わっている。さらにこの手紙はもともと日本語で送ったのだが、本来は「紙(の号外)が減って、替わってインターネットの号外が増えた」という話だったのだが、中国語にする段階で、若干の誤訳と誤解があるようである。

 

 

 


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