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追い出された号外配り+取材陣

6月25日朝、大阪駅周辺で配布された号外各種
6月25日朝、大阪駅周辺で配布された号外各種

 6月25日、サッカーW杯南アフリカ大会で、日本は決勝トーナメント進出をかけデンマークと対戦、3-1で快勝し、2勝1敗の勝ち点6、オランダに次いでグループリーグ2位で決勝トーナメント進出を決めた。
 この日、5時20分ごろ試合終了、ただちにタクシー飛ばして阪急の最寄り駅へ行き、そこから大阪・梅田へ。梅田から徒歩数分、「はなだこ」という私の行きつけのたこ焼き屋がある狭い路地を抜け、JR大阪駅へと向かう交差点がある。その交差点のJR大阪駅側が、この地における主要な号外配布ポイントの一つである。到着が6時半ごろ。その時点ですでに号外待ちと思われる大勢のサポーターや、テレビカメラが来ていた。

 さて、待つこと1時間弱。最初に来たのは意外にもデイリースポーツ。同紙の号外発行は久しぶりだ。おそらく号外コレクターなのだろう、「デイリーの号外は稀少価値がある」(※)と独り言を言った人もいた。
 しかし、いざ配布、という場になって警備員が数人やってきて、号外配りの人と何やらひと悶着。
 「許可取ってないよね?」「敷地の外でやってくれ」から始まって、「敷地内でやったらすぐ中止させる」という話に。そのため、デイリースポーツの号外配布は駅の敷地の境界線から一歩外へ出たところで行われ、またそれを取材する記者やテレビカメラの取材活動も号外配り同様、敷地の外へ追いやられる形で行われた。

 デイリーの号外配布はわずか10数分で終了。テレビカメラが撤収しないので、これで終わりではないと判断、もう少し待ってみる。
 8時少し前に、朝日が来た。続いて読売、毎日、産経が到着。彼らと大阪駅との間でどんな取り決めがなされたのかは知らないが、デイリーに対して行ったような措置は全く取られず。ただ、おそらく8時まではダメ、ということだったのかもしれない。
 朝日以下4紙は、まるで談合でもしてたかのように、8時になるまで敷地外で待機。8時になった瞬間によーいドン、で配布開始。その時の号外配布はこれまでと同様、普通に駅の敷地内でも行われたし、テレビ、新聞の取材も同様に敷地内でも行われた。それに対して警備員は、人数は増えたものの何も言わず、ただ見ているだけ。配布は8時20分過ぎには終了。

 最近、張出号外が駅から駆逐されているという話はよく聞く。それは駅構内の美化の問題とか、そういう話からなのだが、号外配りそのものが駅から排除されたのは初めて見た。警備員の言い分としては、「人の流れを確保したい」とのことらしい。ではなぜ、デイリーは追い払われて、朝毎読産はOKだったのか。しかも、駅は公共の場所の筈。
 事実、先のWBCの時なんか、号外配布の混乱で怪我人が出るという騒ぎにもなったので、まあわからんでもない。
しかし、厳戒態勢の中での号外配布、いつもと違った異様な雰囲気だった。


 ちなみにこの話(駅から号外配りが追い出された件)を、大阪から戻って京都新聞の人に話したら、「そんなことあるんですか?」と驚いておられた。更に後日、知り合いの新聞販売店主にこの話をしたら、「本来は競争なのに、みんな一斉に始めるなんて聞いたことない」とのこと。
 意外と気付いている人は少ないかもしれないが、異例中の異例だったようである。



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